前ページでなぜパーティション管理ソフトが必要なのか?どういう時に使うのか?という事がおおよそお分かりいただけた事と思います。
さて、ではパーティション管理ソフトにはどんなものがあるかというとフリーソフトウェアのダウンロードサイト『窓の杜』をざっと見渡しても以下の3種類の製品となります。
有償版のみ販売している製品であれば他にもいくつかあると思いますが、殆どのパソコンユーザーがとりあえずパーティション管理ソフトを探すとこの3製品にたどり着くのではないでしょうか?
さて、この3製品はそれぞれ特徴がありますがメインの画面を比較してみましょう。
あなたは第一印象でどの画面が一番わかり易いと感じたでしょうか?
私は2番めのMiniToolのPartition Wizardが画面構成、色調、文字のサイズ、メニューなどの配置がとてもしっくりきました。(ひいきはしていません)
自動車や家電品などの工業製品やコンピュータのソフトウェアについても人間が操作をするのでヒューマンインターフェースの設計はとても大事です。
『外見は内面の発露である』と常々感じている私としてはここは結構重要だと考えます。
私は今回の執筆の機会が無ければ失礼ながら”MiniTool”さんの製品を知りませんでした。
当店はシステム運用保守契約して頂いているユーザー様のサーバー用バックアップソフトを安価なEaseUS社やAOMEI社のものを使っていた流れでパーティション管理ソフトもこれらの他社の無償版を使っていたのでした。
良い機会ですのでMiniTool Partition Wizardをダウンロードしてインストールしてみます。
試すのは一般ホームユーザー向け(非商用)の無料版です。
インストールすると左のようなアイコンがデスクトップ上に現れます。
ダウンロード時に同時に入ってきたMiniTool ShadowMakerのアイコンも作成されました。
こちらはパソコンのシステムバックアップをとるソフトウェアのようです。
アイコンをダブルクリックすると「ユーザーアカウント制御」対象のソフトウェアなので『このアプリがデバイスに変更を加える事を許可しますか?』のポップアップが表示されるので[はい]を選択します。
すると以下の画面が開きます。
試したマシンはLenovoのThinkPad Helixで、HDDではなく120GBのSSDのみの構成ですが、バックアップ用に少しだけ容量の大きい150GBのHDDに予めボリュームコピーしたものがありますので、今回はこのHDDを使ってMiniToolのPartition Wizardの使い勝手を試してみようと思います。
ちなみに今回試すPartition Wizard(無料版)は以下の機能が使えるようです。
下の書き込みしたPartition Wizardの画面にあるように、ディスク1からディスク2に単純にボリュームコピーをすると容量の差分が『未割り当て領域』として残ってしまいます。
これではせっかくHDDの総容量が増えたのに意味がありません。
この未割当領域を別ドライブとして割り当てる事はWindows標準の『ディスク管理』の機能でも可能ですが、間に634MBの領域がある為"D:"のサイズ拡張はできません。
従ってやりたい事はMiniTool Partition Wizardをうまく使ってディスク2の未割り当て領域をDドライブにくっつける事です。
ではまず手順を以下に示します。
①ディスクマップの移動したい領域を選択
②左ペインから『パーティション移動/サイズ変更』をクリック
すると「パーティション移動/サイズ変更」のポップアップWindowが開くので画面中央の「サイズと場所」のスライダーの対象領域を示す■色の部分をマウスでドラッグして右端に移動します。
移動前
移動後
はい、未割り当て領域が右端からD:の右隣に移動させる事ができました。
これでD:のユーザー領域を拡張する準備が整いました。
ではD:の領域を選択して再び左ペインの『パーティション移動/サイズ変更』を押します。
先ほどと同様に『パーティション移動/サイズ変更』のポップアップWindowが表示されるので今度はスライダーの領域の右端にある(>)を右端までマウスでドラッグします。
拡張前
拡張後
はい、これで望み通りD:の領域(パーティション)が右隣にあった未割り当て領域分全てを拡張に使う事ができました。
<ここで注意!>
これまでの操作では分割した領域(パーティション)をどうしたいのか?という手順を登録しただけで、まだ実際に反映はされていません。
実際にどういう処理をするのかは左ペインの『保留中の操作』の下に表示されていますので内容に目を通して間違いなければ左下の[✓適用]のボタンを押します。
すると左下のような適用中のWindowが表示されてしばらく実行処理が行われた後、右のポップアップのように「すべての保留中の変更を正常に適用しました」と出れば完了です。
どうだったでしょうか?
画面がわかりやすく作られている事もあって、パーティションの考え方やイメージが掴めていればMiniTool Partition Wizardの操作は実に理路整然としていて明解です。
その他、これらパーティション管理ソフトには『フォーマット』の機能があります。
これまで操作方法をご説明した領域(パーティション)を確保したらフォーマットをする事になりますのでそうした使い方もありますが、ここでは『USBメモリー』を対象にしたフォーマットについてご説明します。
パソコンで使っているエクセルやワードなどのデータを直接USBメモリーに保管したり、HDDのデータをバックアップする意味でUSBメモリーにコピーしておいたりと日常的によく使うアイテムです。
パーティション管理ソフトではこのUSBメモリーについても操作ができます。
一般的に市販されているUSBメモリーのフォーマット形式は『FAT32』というものです。
『FAT32』は古くからあるフォーマット形式ですがWindowsやMac、AndroidやiOSでも読み書きができ、互換性の高さから今でも標準的なフォーマットとして使われています。
ところが残念な事に『FAT32』では1つのファイルの最大サイズが4GBまでという制限があります。
通常のエクセルやワード、その他のアプリのデータで4GBを超えるファイルというのは滅多にありませんが昨今はビデオ画像をバックアップしたりするのに使うと途端にこの制限に引っ掛かってしまいます。
という訳で今のWindows10のディスク管理やファイルエクスプローラーでは『FAT32』のフォーマットをサポートしなくなってしまいました。
代わりにWindows10では『NTFS』又はファイルのサイズに制限のない『exFAT』の2種類が用意されています。
とはいえ大量のデータを保存したUSBメモリーが不要になり、初期化したい場合などには可能であれば元の『FAT32』のまま再フォーマットしたいところです。
こういう場合、パーティション管理ツールが使えて便利です。
MiniTool Partitiom Wizardでは、USBメモリーをパソコンに差し込むとHDDやSSDと同様に『ディスク2』のように表示されますので以下の手順で操作します。
ディスク2のパーティションを選択してマウスの右クリックでメニューを表示すると上から2番目に「フォーマット」がありますのでこれを選択します。
すると以下のように「パーティションフォーマット」のポップアップが表示されますので使いたいフォーマット形式をファイルシステムのコンボボックスから選びます。
この場合はFAT32を選びます。
あとは[OK]を押すだけです。
操作方法はWindowsのファイルエクスプローラーからフォーマットする操作と変わりませんので簡単にUSBメモリーのフォーマットができました。🎉
ちなみにこの時MiniTool Partitiom Wizardで使えるフォーマット形式が確認できるのでついでにチェックしておきます。
MiniTool Partition Wizardで使えるフォーマット形式は以下の7種類
4以降はLinux(OSの1種)用のフォーマット形式ですが、他のOS用のフォーマット操作にも使えるとはなかなか凄いです。
総評(まとめ)
ここまでお読みくださってありがとうございました。(お疲れ様でした)
以上のようにパーティション管理ソフトMiniTool Partition Wizardで最もよく使うと思われる以下の2つの操作手順をご紹介しました。
◆未割り当て領域をユーザー使用領域に追加する方法
◆USBメモリーをFAT32でフォーマットする方法
使い込んでいくと他にも便利な利用方法はありそうですが、今回の操作では感覚的に間違えずに操作できる画面のインターフェースに仕上がっていたと思います。
冒頭でご紹介したようにパーティション管理ソフトとしてはおおよそ3社の製品が無料で提供されていて、それぞれに出来る事と出来ない事があり単純に比較はできないのですが今回私がパーティション管理ツールに求める機能をMiniTool Partition Wizardは満たしていました。
どのソフトを使ったらいいのか迷う事があればMiniTool Partition Wizardを使ってみる事をおすすめします。
尚、有償版ではパソコンに内蔵されているHDDをSSDに換装したい場合にまるごとコピーできる機能もあるようですので、機会があればまたレポートしたいと思います。
2021/01/20 投稿